3月に入り、だいぶ暖かくなってきましたね。
一方で、花粉症の方々にとっては非常につらい時期なのかもしれません。
当然ながら動物にも花粉症がありますから、
この時期にくしゃみ・鼻水が出るコは注意されてください。
本日の症例紹介は、”子宮蓄膿症” です。
注)以下に、摘出した子宮の写真が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。
文字通り、子宮に膿(うみ)が溜まる恐い病気です。
蓄膿症と聞くと、鼻の蓄膿症を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
それと類似する病態が子宮で起きてしまう病気です。
なんとなく元気がなくて食欲が落ちている・・・ということで、
中年齢のわんちゃんが来院され、
超音波検査で、子宮が腫れており、
その他の査結果から、子宮蓄膿症と診断しました。
内科療法による治療もないわけではないですが、
病型によっては内科療法自体がリスクを伴うことや、
将来的なことも考慮し、
オーナー様と相談した結果、手術を行いました。
そして、下の写真が腫れて膿が溜まった子宮です。
これが体の中にあって、
さらに細菌感染を伴うことを考えると本当に恐い病気です。
発見が遅れてしまうと、当然ながら命に関わる病気ですから、
早期発見・早期治療が重要です。
当然ながら、避妊していないすべての動物が発症するわけではないですが、
犬は子宮蓄膿症になりやすく、
そのリスクをなくすという意味では、避妊手術はひとつの選択肢になると思われます。
さて、わんちゃんは翌日には元気に退院しました。
動物って本当に強いし我慢強いですね。
ということで、未避妊メスの動物で、
なんとなく元気食欲がなくて水を大量に飲む、
生理は終わったはずなのにおりものが続く、
といった症状がある場合には、早めに受診されてください。