朝晩のみならず、

日中でも冷たい風が吹くと寒いと感じますね・・・

そんな日に、お弁当を買いに行く途中で、

きちんと日なたでくつろぐ猫さんたちを眼にすると、

思わず微笑んでしまいます。

 

さて、本日も症例紹介です。

犬の尿石症です。

中年齢の小型犬が、尿が出づらく、何度も排尿姿勢をとるが少量しか出ない・・

ということで来院されました。

腹部のレントゲン検査を行うと、、、

膀胱内に4個、陰茎の根元の尿道内に6個、

 

合計10個の結石を認めました。

 

 

また、尿検査では、

 

これらの結石が ”シュウ酸カルシウム”

 

という結石であることが疑われました。

 

 

さて、結石にもいくつか種類はありますが、

 

このタイプの結石は、

残念ながら食餌療法や薬物療法で溶かすことのできない結石で、

特に体質が大きく関与しているといわれています。

 

したがって、できてしまって問題が起きてしまった場合には、

結石を外科的に除去する必要があります。

 

結石が尿道に詰まることで、

排尿痛や膀胱炎・尿道炎などが考えられますが、

もっとも怖いのは、”尿毒症”です。

 

排尿できないことによって、

本来尿から排出される老廃物が体内に溜まってしまう状態です。

動物においても、2日以上閉塞する状態が続くと生命の危機に晒されます。

 

 

 

さて、結石の除去法・・・

 

膀胱にもアプローチして、

 

さらに陰茎の根元にもアプローチして結石を除去するのか・・・

 

つまり、2箇所も切開するのか・・・

 

 

というと、そうではありません。

 

 

簡単に言えば、陰茎の根元の結石を、水圧をかけて膀胱に戻し、

 

膀胱を切開して結石を除去するのです。

 

時間が経ってどうしても動かない場合は、

 

尿道切開術や尿道の開口部を変更する手術を行うこともあります。

 

下の写真のように・・・(陰茎にできた悪性腫瘍のために尿道開口部の変更術を行なった症例)

幸いこのコは、水圧法によって、膀胱に結石を戻すことができました。

 

ということで、

 

膀胱切開術のみで、すべての結石を除去することができました。

 

そして、尿石症で重要なことは、

 

手術後の食餌管理や生活習慣です。

 

 

詳しく述べると長くなるので省略しますが、

 

あくまで手術は、

 

現状で起きている問題を解決するための手法に過ぎません。

 

 

体質が大きく関与しているため、

 

色々と努力しても数年後にできてしまうコもいないわけではないですが、

再発をできる限り抑えるための食餌療法や生活習慣は極めて重要なのです。

 

 

ということで、排尿しづらいなどの症状がある場合は、注意されてくださいね。

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